マンションの床下はどうなってるの? | リノベーション会社の "kasa"。圧倒的なデザイン力、どこにも負けないおしゃれな空間作りに挑戦し続ける、本気リノベーション集団です。

マンションの床下はどうなってるの?

こんにちわ。

秋は”キャンプの秋”のMです。


マンションリノベーションやリフォームの際にキッチンやお風呂の位置を変えたいと相談した現地に来られた業者さんから

「床下がどうなってるかわからないので解体後に確認させてもらいますね!」

「管理組合の図面で床下と配管を確認してお答えしますね!」

という曖昧な回答をされた経験ありませんか?

その際は詳しく説明されることはないかと思いますので、今回はマンションの床下はどうなっているのかご説明させて頂きます。


まずはマンションは鉄筋コンクリート(RC)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)で出来ているのが一般的になっております。ということは今あるフローリングやカーペット等をめくってあげるとコンクリートがむき出しになるのか!と思われる方が多いかもしれません。

ただマンションの床下の工事には色々な種類がありこれが”解体しないとわからない”の原因になります。

一般的によく使われる工法は


■床下を作らない


■置き床工法


■根太床工法


■浮き床工法


になります。

ご自身のマンションやこれから買われるマンションで上記を知っていると”この人は建築関係の人かな?”と思われる事間違いなしです。この後一つ一つ説明させて頂きます。



■床下を作らない


マンション躯体のコンクリートには小さい凹凸や水平になっていない部分があります。こちらを直すために不陸調整材で平で水平な面を作ります。

ただこのままではマンション躯体から熱、冷気が伝わりやすくまた音等も下へ直接伝えることになります。


なので採用されるのはマンション1階にある店舗や駐輪スペース等の下の階へ迷惑がかからなかったり断熱が必要ない部分での採用がほとんどになります。

万が一2階以上の室内に採用されている場合は断熱性が低く、音がしたの階へ響く事になり住居部分には不向きとなります。


ただ2階以上でも玄関の靴を脱ぐ場所等の一部としては採用される事もあります。


・メリット

コストが安い

無機質でショップやカフェのような雰囲気になる


・デメリット

遮音性・断熱性が低い

床材にタイルを使用するとコストが高くなる



■置き床工法



基本的には中古マンションでも築が古い場合にリノベーションをする際に採用することが多い工法です。

床下を設ける際にフローリングやタイル等は水平でなければ健康を害してしまいます。ですので床下部分で水平を出す必要性があります。


先ほども書いた通りマンションの躯体は必ずしも水平というわけではなく不陸があり(高い部分と低い部分がある)どちらか一方を基準として水平を出すことになります。


そちらを画像のような防振ゴムのある支持脚を用いて高さを調整し、その上にパーティクルボードを貼り水平な床をつくる土台を仕上げていきます。

このようにすることでマンション躯体と床の間に空気の層ができ断熱効果がでたり防音効果があったりします。またこの隙間に排水や水道の配管、電気の線が通すことが可能になり、マンションの水回りのレイアウトの自由度が増します。


特にマンションの管理規約で防音に対する指定がある場合はオススメの後方ともいえます。


・メリット

遮音性が確保でき不陸調整が容易

床下に配管スペースができ間取りの自由度が増す


・デメリット

床下高さが出る分天井高が低くなる

床下を作るコストがかかる



※パーティクルボード…木材の小片やチップを加熱圧縮して板状にしたもので反りや割れが少なく加工しやすく遮音性や断熱性も良く品質が安定し環境にやさしい建材(廃材利用している為)



■根太床工法

先ほどの置き床工法とあまり変わらないのですが、支持脚の代わりに根太といわれる木材をマンション躯体へ固定しその上に合板を固定する方法になります。

支持脚ができる前まではこのように木材で高さを調整していました。また根太との間に断熱材を入れることで断熱性と防音性を高めることができ、置床に比べると床下の高さを最小限に抑える事が可能です。

戸建て住宅では根太床工法で床下を作るのが一般的になっております。


また築の古い物件では根太の上に合板を貼らずに直接フローリングを貼っているケースもあります。

この場合は経年劣化で床がベコベコすることがあり強度が少し劣ります。

コストや工事期間を抑えることが可能ですが、将来のことを考えると合板を貼る(捨て貼り工法)がオススメになります。


畳の部屋には畳に厚みがありこちらの後方が使われていることが多いです。


・メリット

置き床に比べ床下高さを抑えられる

不陸が少ない場合工事が早い


・デメリット

置き床に比べ配管が通しづらい

不陸調整が難しく大工工事が長引くこともある



■浮き床工法



置き床や根太床とはことなり、マンション躯体に直接断熱材を敷込みそのうえから不陸調整材で水平を出す方法になります。

コストが他の後方に比べ高いですが断熱効果が高い為新築のマンションに多く採用されている方法になります。


また断熱性が高い為同時に床暖房(電気・ガス温水)も採用されることが多くリノベーションされる際に撤去費用や配管スペースの関係で間取り変更に制約がかかる場合もあり、フローリングも専用品から選ばないといけなくなりコストや選べる商品の制約もあります。


置き床・根太床・浮き床の工法すべてを総称して2重床工法とも言います。


・メリット

断熱性が非常に高い

床暖房等の高機能設備を採用しやすい


・デメリット

コストが高い

工期がかかる為リノベーションでは採用しづらい


■最後に

戸建て住宅のリノベーションと違いマンションリノベーションの際に一番ネックとなるのが水回り設備(キッチン・お風呂・トイレ)の移動が難しいという点です。

こちらの原因は排水の位置替えが難しい点になり、排水は管の大きさや流れる水の量によって勾配をつける必要性があり勾配がないと水が流れずつまりの原因となります。


一例で簡単に覚えていただけるのはマンション共有の排水から宅内の設備の排水までの水平の長さ100cmで高さ(垂直方向)1cm上がるようにしなければなりません。

その為もしキッチンを5m先まで移動しようとなると単純に5cm床の高さをあげる必要性が出てきます。


このように現在の床下がどのような構造になっており、リノベーションの際にどのような工法を用いるのかが大事になってきます。

新築マンションではバリアフリーを意識して段差が極力ないマンションが多いかと思いますが築古のマンションをリノベーションする際はこういった事をふまえて物件を探されるのも良いかと思います。



なかなか個人で様々な物件を見て判断していくのは難しいと思いますのでその際はリノベーション会社がやっているワンストップリノベーションを活用することでリノベーション会社の専門スタッフが同席の上物件の内覧が可能になります。

ワンストップリノベーションサービスが気になる方はこちらのブログをチェック(参考ブログ:https://kasa-b.jp/blog/oyakudachi/141767)



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