「新築じゃなくてもいい」──大阪・神戸で見えてきた、リノベーションという暮らし方の未来。 | リノベーション会社の "kasa"。圧倒的なデザイン力、どこにも負けないおしゃれな空間作りに挑戦し続ける、本気リノベーション集団です。

「新築じゃなくてもいい」──大阪・神戸で見えてきた、リノベーションという暮らし方の未来。

休日に神戸の坂道を歩いていたとき、古い木造住宅の窓辺に、真新しい照明が灯っているのを見つけました。

外観はそのままに、室内だけが美しく整えられている。casa

それはまるで、古い服を丁寧に仕立て直して、もう一度袖を通すような温かさがありました。


──あぁ、これが“今のリノベーション”なんだな、と思ったのです。casa


ここ数年、大阪や神戸の街では「中古住宅をリノベーションして、自分らしく住まう」という選択をする人が目に見えて増えています。

新築を買うよりも、自分で“つくり変える”。

それは経済的な理由だけでなく、「暮らしをデザインしたい」「愛着を持ちたい」という心の動きが背景にあります。


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この記事では、


・大阪・神戸における中古住宅の現状と今後の推移

・リノベーション/リフォーム市場の最新動向

・“新築にこだわらない”という選択がもたらす心理的な豊かさ


について、行動心理学の視点も交えながら丁寧に掘り下げていきます。



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1.中古住宅とリノベ/リフォームの潮流


近年、日本全体で「住まいを建てる・買う」という時代から、「あるものを活かす」時代へと大きく流れが変わっています。casa

住宅リフォーム市場は2022年時点で約8兆円規模。さらに、中古住宅を購入してリノベーションを行う人が年々増え、全面改装レベルの工事が前年の約1.5倍になったという調査もあります。casa

また、住宅再生関連市場全体(リフォーム・リノベーション・中古住宅の買取再販など)は、2030年には約12兆7千億円規模へ拡大すると予測されています。casa


つまり今は、「新築にこだわらなくても、自分らしい家をつくる」という考え方が確実に広まりつつあるのです。

国や自治体も「既存ストックの活用」「中古住宅の流通促進」を後押ししており、暮らし手も“選ぶ”だけでなく“つくり変える”方向へとシフトしています。


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♢大阪・神戸における動き


では、実際に大阪・神戸エリアではどうでしょうか。


ー大阪ーcasa


大阪府では、中古戸建ての平均価格が約2,300万円前後(2022年時点)。坪単価にして約76万円で、この10年間はほぼ横ばいの状態が続いています。

一方で、将来的には10年後に約8%前後の価格下落が予測されており、「取引件数は増えているのに価格は伸びにくい」という構図が見られます。

大阪府の資料でも、中古住宅の流通シェアは全国平均よりやや低めで、まだまだ伸びしろのある市場だといえるでしょう。


ー神戸ー


神戸市では、すでに2010年代半ばの時点で中古住宅の流通シェアが26%を超えています。

「リフォームされた中古住宅の購入に関心がある」と答えた人は7割近くにのぼり、実際の購入行動にも変化が見えます。

2025年初頭のデータでは、近畿圏全体の中古戸建成約件数が前年より約19%増加。成約価格は2,400万円前後で安定しており、リノベーション前提の取引が明らかに増えていることがわかります。


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2.なぜ今、「リノベーション」「リフォーム」が選ばれるのか


では、人々はなぜいま「中古住宅+リノベーション/リフォーム」を選ぶのでしょうか。


(1) 新築神話の終焉と“最適化志向”casa


かつては「新築=安心・きれい・最新設備」というイメージがありました。

しかし最近では、「新築だから良い」とは限らないという考え方が広がっています。

神戸市の調査でも「新築にこだわらない」と答えた人が6割を超えており、多くの人が“立地・価格・間取り・環境”を総合的に見て、自分に最適な選択をしたいと考えるようになっています。


(2) 自分らしさを表現できる家


「この家を、ただ住むだけの場所にしたくない」──そんな想いからリノベを選ぶ人も増えています。

行動心理学では“アイデンティティの投影”と呼ばれる現象で、人は自分の価値観を反映できる環境に強く愛着を感じます。

中古住宅は、ゼロから建てるよりも“自分色に染めやすいキャンバス”のような存在。素材や空間構成にこだわることで、「住まいが自分を映す場所」になっていきます。


(3) コストと価値の再定義


資材価格や人件費の高騰で、新築のコストは上がる一方です。

そのなかで、中古住宅を購入してリノベーション・リフォームする方がトータルコストを抑えられるケースが多く見られます。

さらに、中古市場は価格の変動が比較的穏やかで、リノベ後の資産価値も安定しやすいというメリットがあります。


(4) 政策・制度の追い風


国や自治体も、既存住宅の活用を後押ししています。

大阪府の「住宅ストック活用戦略」や国土交通省の支援策では、補助金や税制優遇が整備され、消費者と施工会社の双方にとってリノベしやすい環境が整いつつあります。

制度と市場、そして暮らし手の意識。この三つのベクトルが重なり、今の「リノベ時代」を後押ししているのです。




3.大阪・神戸でリノベ/リフォームを考えるときのポイント


① 立地とアクセスを最優先に


中古住宅を選ぶうえで最も重要なのは、立地とアクセス。

大阪・神戸はいずれも交通網が発達しているため、「駅からの距離」や「通勤・通学のしやすさ」が価値に直結します。

平均的には駅徒歩11分前後が多く、ここを基準に暮らし方とのバランスを考えると良いでしょう。


② 築年数より「構造・管理」を見る


築年数が古くても、構造や管理状態が良ければ十分に価値があります。

特に鉄筋コンクリート造なら築40年でも健全なケースも多く、修繕履歴や管理組合の体制を確認することが大切です。


③ 設計・施工会社は“相性”で選ぶ


大阪・神戸にはデザインリノベ・リフォームに強い会社が多くあります。

費用の安さよりも、「提案力」「素材理解」「世界観の共有」を基準に選ぶと、後悔のない住まいづくりにつながります。


④ 資産価値も視野に入れる


10年後の大阪府の中古価格は約8%下がる予測もあります。

とはいえ、立地が良く、丁寧にリノベされた家は価値を維持しやすい。

“投資”ではなく“暮らしの質を整える資産形成”と捉えるのが、これからの時代の住まい方だと思います。一方で住宅金利は上昇傾向にあることから、安易に10年後まで待つか、とはいかないのも実情ですね。

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4.これから5〜10年、大阪・神戸のリノベ市場はどうなる?


近畿圏全体では、中古戸建成約件数がここ数年で右肩上がり。

リノベーションを前提にした取引が増え、件数ベースで前年比+20%前後の伸びを示しています。

一方で、価格は全体として横ばい傾向。つまり“数は伸びても値上がりしにくい”成熟フェーズに入ってきたと言えます。


ただし、都市近郊・駅近・再開発エリアなどの条件が良い場所では、今後も高値維持が見込まれます

特に北摂エリア(大阪)や東灘・中央区(神戸)などは安定的。

今後は「デザイン性+性能+立地の三拍子」がそろったリノベが主流になるでしょう。


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5.私の思い:住まいは“過去”と“未来”をつなぐ場所


データや市場の話をしてきましたが、最後に少しだけ個人的な話を。

私は「リノベーションとは、時間を味方につけること」だと思っています。


中古住宅には、これまでの時間の蓄積があります。

誰かの暮らしが染み込み、街や環境とともに年を重ねてきた空間。

それを手入れし、自分らしく整えていく行為は、単に“直す”ではなく“受け継ぐ”ことに近いと感じます。


「中古だから」ではなく、「中古だからこそ、選べる・変えられる・育てられる」

そんな発想で家と向き合えば、住まいはもっと自由で、もっと楽しい存在になります。


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6.まとめ


* 大阪・神戸では、中古住宅+リノベ/リフォームの市場が拡大中。

* 成約件数は増加、価格は安定、政策の後押しも進行。

* 「立地・構造・設計提案力」で選ぶことが満足度を左右。

* 心理学的にも、“自分でつくる住まい”は幸福度が高い。


リノベーションとは、暮らしを再編集すること。

新築でも中古でもなく、「自分らしい選択肢」としての家づくりが、これからの大阪・神戸をもっと豊かにしていくのではないでしょうか。


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リノベーションは、家を直すことではなく、“暮らしを整える”こと。

その最初の一歩を、安心して踏み出せるように。


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